吉永小百合さんの映画を初めて見ました。

この映画が公開されたころ?吉永小百合さんがインタビューで、自分の歳と「母べえ」の歳が違いすぎるが大丈夫か、山田洋次監督に尋ねたら、「当時の人は苦労してやつれて年より老けて見えたからちょうどいいんだ。」とおっしゃっていたと話をされていた記憶があります。

確かに・・・

小学校6年生と低学年の2人の娘。当時だと遅い30歳で長女を出産していたとしても42歳。

当時の方がいくらやつれていたとしても、いくら吉永小百合さんがきれいで若く見えても、無理がありました。

日中戦争〜第二次世界大戦の時代、父べえ(家族みんな「べえ」をつけて呼び合う変わった家族)が思想犯として逮捕され、獄中死し、父べえの教え子が残された家族を支えるのですが、戦死してしまう。
残された母べえは静かにそれに耐えて、娘2人を育てあげる。

最後のシーンは、確かに取ってつけたような不自然な感じがしましたが(突然現代になる)、母べえの死ぬ前の一言が、戦争に対する「怒り」のようなものを表しているのだろうな、と思いました。
静かな反戦映画でした。

浅野忠信さんがよい味を出していたと思います。