6月の「ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」優勝のニュースは記憶に新しいところです。

全盲のピアニスト辻井伸行さんの13歳〜19歳までの物語です。辻井さんの母親が綴っています。第一弾もあるのですね。そちらは読んでいません。
目が見えなくても美術館でも花火でもどこへでも連れて行く。心で見ることができるから。視覚障害者にありがちな「色彩感覚の欠如」がないと音楽評論家が彼の演奏について述べたそうですが、目が見えないから美術館に行ってもわからないだろう・・という考えではなく、常に本物に触れさせるというお母様の努力が実を結んだのでしょう。

佐渡裕氏指揮でベルリンで録音された「ラフマニノフ」ピアノ協奏曲第2番のCDを聴きました。また、辻井さんのデビューアルバムもあわせて聴きました。
確かに、今まで聴いたどのピアニストよりも歌うように(カンタービレ)、そして感情豊かに聴こえました。すばらしいです。

視覚障害を持つということは大変なことです。辻井さんにはすごい才能があるわけですが、それを全力でバックアップした両親があってこそ、今の彼がいるのだなぁと、この本を読んで思いました。

精神障害を持つ兄のOは、本当に不器用で何をするのも遅くて、小学校に上がる時、普通学校に入学させてよいか相談に行ったそうです。統合失調症になってからますます集中力がなくなり、「取り柄」がまったくありません。やりたいこともないようです。
辻井さんのようにとはいきませんが、もう少し親ががんばる余地はなかったかなと思いました。ほぼほったらかしでしたもん(もちろん通院のサポートはしていました)。本人が望まなかったのもありますけど。


話がそれた。


障害があっても努力すれば成功できるという話ではなく、「真のピアニスト」である辻井伸行さんはたまたま目が見えなかった・・そんな感じです。目が見えず苦労されたこと、つらかったことはもちろんたくさんたくさんあるでしょう。これからも。
でも、視覚障害がない辻井さんがここまでになったか?はわからないと思います。
全盲であること・・そんなこと関係なく、すばらしいピアニストです。

この本にはショパンのコンクールに出場した時のことが中心にか書かれていますが、ピアニストとしての成長過程がよくわかります。

ぜひ彼のコンサートに行きたい!そう思いました。

「のぶカンタービレ!」
辻井いつ子著 アスコム