ようやく読み終わりました。

TVドラマの不毛地帯の第1回は先日放映されましたが、なんとか間に合いました〜。DVD録画していますがまだ観ていません。

元大本営の参謀の壹岐正が、戦後シベリアに抑留され、強制労働11年の後に帰国してから、商社に中途入社し、どんどん力を発揮してビッグプロジェクトを成功させるという・・・

大本営参謀というのがどのくらい優秀でないとできないのか、私にはわかりませんが、戦争中若くしてその地位にあった壹岐は商社の世界にあってもその才能そして人脈を発揮していくのですね。

図書館で借りて読んでいたので、この長編小説の最初の方はやはり記憶が薄れてきていますが・・・最後に大きな仕事を成し遂げた壹岐(この時会社のナンバー2)が、自分も退任することを条件に大門社長を勇退させたとき「(君が辞めて)会社は、あと、どうなるのや?」という社長の問いに対して、「・・略・・幸いその組織は出来上っております」とこたえたこのセリフが印象に残りました。

大本営参謀として持っている作戦力と組織力を生かして欲しいと大門社長に引っ張られた壹岐は、ちゃんとその仕事を成し遂げました。

私が関わっている会社もそうですが(不毛地帯に出てくる商社のようなビッグな会社とはもちろん縁はありません)、どうしても人に仕事がくっついているというか、その人がいなくなったらどうなるの?という会社ってけっこう多いと思います。

組織で動く時代です・・と壹岐は言いましたが、誰が欠けてもしっかり動いていく組織をつくるのは難しい。でもそれが会社の存続に一番重要なことかもしれません。

シベリアに抑留されていた元軍人の方々はおおむね90代。壹岐正も生きていればそうなのですね。当時のことやシベリア抑留訴訟のこと、あまりにも知らない。この小説を読み多少なりとも知ることができたと思います。

毎回思いますが、山崎豊子さんの取材力はすごいです。

不毛地帯(一)〜(四)<山崎豊子全集>
山崎豊子著 新潮社