マラソン中継の解説、S氏よりも金哲彦さんがよいと思っていらっしゃる方は多いと思います。

「体幹ランニング」とか「エクサミュージック」で金さんを知ってから、この本を読むまで、箱根駅伝に4年連続出場されたことも知らず、リクルートの選手(第1号)だったことも知らずにいました。

解説のわかりやすさは、自身が選手であったことはもちろん、その後のコーチ・監督としての経験、市民ランナーを指導した経験に裏打ちされているのですね。

また、S氏の浮世離れした感じ(失礼)とは違う安心感というのでしょうか?それはリクルート初の選手として一人で練習を続けた苦労や「在日」であること、コーチ・監督としての激務の日々、そして大腸がんになり「死」と向かい合ったこと・・もろもろの経験からくるものなのかなぁと、この本を読んで思いました。

金さんにとって、「走る意味」=「生きる意味」であり、走っていると生きていると実感できるのだそうです。

東日本大震災が発生して、マラソン大会が相次いで中止になっています。被災地ではもちろん「できない」のですが、遠く離れたところの大会も「自粛」という理由で中止になっています(また、給水のための水を被災地に送るべきだ・・という意見もあるようです)。

そんな中、岩手県の北上〜雫石を走る「いわて銀河100kmチャレンジマラソン」が開催されることになりました。
開催の理由は、HPに書かれています。

乳がんの手術、放射線治療であまり走っていませんが、開催の趣旨を読んで参加を決意しました。
現地に行き、宿泊し食事しお土産を買うことで、少しは(申し訳ないくらい微々たるものですが)東北のためになると思いますし、何より被災地の方々が頑張っている姿を発信されようとしているのですから、それを感じたいと思ったのです。

100km・・めちゃくちゃきついです。でも、そのしんどさを味わえるのも「生きている」からこそ。
金さんのように、生きていることに感謝する意味でも、そのつらさを味わいに行きたいと思います。

「走る意味-命を救うランニング-」
金 哲彦著 講談社現代新書

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