東日本大震災からもうすぐ一年。

あの頃、吉村昭氏の「三陸海岸大津波」が話題となり、増刷が続いた。
その吉村氏は平成18年にすでに亡くなっている。

P2012_0305_101741夫人でまた作家である津村節子氏が、吉村氏が癌に冒されてから亡くなるまでの日々を淡々と綴ったのがこの「紅梅」である。

重ねるのも失礼だが、私の母と同じすい臓癌であった。
その前に舌癌を患っておられるが、転移ではなかった。

夫婦ともに作家、夫は病に倒れそれを支える妻も多くの原稿を抱えた中での介護、壮絶な闘病生活の末、吉村氏は・・・

小説の形をとりながら、ノンフィクションの闘病記であるため、事実をありのまま受け止めて終わってしまった。
特別な事情がない限り、どちらかが先に逝く。誰もが経験することがそこにある・・そういう感じだった。

吉村氏の作品を一冊も読んだことがないまま、先にとても人間らしい姿を見たような気がする。
多くの資料や史料、綿密な取材にもとづいた吉村氏のドキュメンタリー作品も、ぜひ読みたいと思った。

紅梅

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著者:津村節子
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