支援者ら笑顔 「ダメかと思っていた」

日本経済新聞 2013/5/28 朝刊

参院本会議で27日午後、公選法改正案が全会一致で可決されると、傍聴席で見守っていた約20人の成年被後見人や支援者は表情をほころばせた。

 知的障害者の浅見寛子さん(57)=埼玉県神川町=は記者会見で「うれしい。(埼玉県で暮らす)兄と投票に行きたい」と笑顔。姉で成年後見人の豊子さん(65)=東京都目黒区=も「私が生きている間は(法改正は)ダメかと思っていた」と晴れやかな表情を浮かべた。寛子さんは2008年に交通事故に遭って負傷。加害者を相手に訴訟を起こすために豊子さんが後見人に就いたが、公選法の規定によって寛子さんは選挙権を失うことになった。「選挙が大好き」と投票にほぼ欠かさず行っていた寛子さんは「お姉ちゃんのせいで選挙に行けなくなった」。豊子さんは「何としても妹の選挙権を取り戻す」と心に誓い11年から寛子さんが原告となって国を相手に訴訟を続けてきた。

 同種訴訟で東京地裁の違憲判決を勝ち取った原告、名児耶匠さん(50)=茨城県牛久市=の父で後見人の清吉さん(81)は「重要な権利を守るきっかけを作ったことに大変誇りを持っている」と胸を張った


ちょちょちょちょちょ〜待って。
胸張らんでもエエでしょニュースでも見たがたしかに誇りに思っておられるような表情で。
大変重要な改正であり、そのきっかけになったのは原告の方々であることは否定しない。

成年後見人制度を利用する時に、(当時)選挙権を失うという規定があることを調べなかったのは誰?
何度も言うが、たしかに選挙権を失う規定は違憲。しかし、成年後見制度を深く調べずに安易に適用したことは反省すべき。
後見でなくても(保佐や補助でも)、十分に彼・彼女らの財産管理や契約、訴訟の代理はできたかもしれないのだから。

改正前の公職選挙法だけでなく、成年被後見人を欠格条項としている法律(資格等)は多く存在している。それが世の中の成年被後見人に対する考え方ではないの?
これは、憲法に定められている「職業選択の自由」を制限していることにはならないのか?投票行動とその他の職業についてどう線引きするのか?

原告、支援者が喜んでおられる姿を見つつ、なんだかスッキリしない気持ちが残った。
記事には現場の困惑(地方自治体、選挙管理委員会)についても書かれていた。そらそうでしょう。