ふしみ・ふくすい・ふしみず


伏見はその昔「伏水」【ふしみ】と表記されたほど、京都の北と東から流れ込む豊富な地下水がある町である。それにちなんだ名のついた会報が、お手持ちの「伏水」【ふくすい】。注)伏水(ふくすい)が某業界会報の名称伏水の名残り
伏見の酒の歴史は大変古い。豊臣秀吉の伏見城下町として栄えた頃から醸造技術が向上し、生産量も増加したという。江戸時代に入ると伏見の港は交通の要に発展し、造り酒屋も急増、明暦年間には日本有数の酒処となった。
その後、幕府の制限により衰退し、幕末の「鳥羽伏見の戦い」によって、伏見の酒蔵の多くが被災することになる。
しかし、明治中期に伏見の酒は奇跡の復興を遂げる。そこには、陸軍第十六師団司令部が設置され、軍用の酒の消費が増えたという背景があることも興味深い。
さて、水とともに発展してきたこの伏見の「名水」、どのくらい口にされたことがあるだろうか。
近鉄桃山御陵前駅を降りると、「伏見名水めぐり」の看板(地図)が目に留まる。
桃山御陵前駅

・伏水(ふしみず):黄桜カッパカントリー
・白菊水(しらぎくすい):鳥せい本店北隣
・御香水(ごこうすい):御香宮
・清和の井(せいわのい):清和荘
・板橋白菊の井戸:伏見板橋小学校
・不二の水(ふじのみず):藤森神社
・閼伽水(あかすい):長建寺
・さかみづ:月桂冠大倉記念館
・金運清水(きんうんしみず):大黒寺
・常盤井水(ときわいのみず):キンシ正宗
以上の名水の場所と解説が記載されている。また、他の書籍では次のふたつも名水とのこと。
・勝水(かちみず):乃木神社
・菊水若水(きくすいわかみず):城南宮

それぞれを細かく解説すると、それこそ伏水(ふくすい)が水で溢れてしまうので省略するが、先日、御香水〜不二の水〜白菊水〜伏水(ふしみず)と巡ってきた。
御香宮3まず、御香水は昭和60年に当時の環境庁(現 環境省)から「名水百選」として選定された、伏見の名水の代表格。「御香水」の石碑の前の井戸らしきものはふたをされているので手水舎の水をいただいた。蛇口あり。
次に、藤森神社の「不二の水」へ。午前9時、初老の男性がペットボトルに何本も水を汲んでいる。飲むのは断念。
鳥せい本店隣の「白菊水」。こちらは女性二人。並んで順番を待つ。前の女性はペットボトル4本。さて、一口いただくと・・ひんやりしていておいしかった。
最後に某酒造会社の「伏水」【ふしみず】。緑に囲まれてなかなか風情がある。ここでもペットボトルを持った人がぞくぞくと水を汲みに訪れる。水の入ったペットボトルを見ると水滴が・・冷たいらしい。飲みたい!伏水(ふしみず)
しかし、待っている人も多く、汲んでおられる合間に写真を撮らせてもらったので、やはりその場で飲むのは断念。
伏水は酒の仕込み水と銘打って、500mlペットボトル入りで販売されているので、そちらを購入。
少し損をした気分だ(笑)
せっかくなのでお酒も購入し、夜に夫とクイッと一杯。あらためて伏見の水の恵みに感謝である。
伏水4