高松〜岡山マリンライナー
2015年5月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:923ページ
ナイス数:25ナイス
月下美人 (文春文庫)の感想
史実を曲げないという信念とそのための取材活動の賜物である著者の記録小説はそれが生まれる過程もまた、一つの作品として十分に読みごたえがあるものとなる。表題作「月下美人」然り。「沢蟹」を書くために実際に沢蟹を取り寄せたことから生じたエピソードを書いた「甲羅」。著者には無限の題材があったのではないか。
誰の人生にもドラマはあると思うが、それを読ませるような文章にはなかなかできない。著者のスゴイところではないだろうか?長編を読みつつこのような短編や著者のエッセイを読み、裏話を知ると、また長編作品がおもしろくなる。
読了日:5月4日 著者:吉村昭
戦艦武蔵 (新潮文庫)の感想
戦時中に人間たちが示したエネルギーが大量の人命と物を消費したことに、戦争の本質があるように思っていた・・著者はあとがきに記している。武蔵という戦艦はまさしくその象徴だと感じた。
起工から竣工までで3分の2、残りは撃沈までと生き延びた者のその後が淡々と書かれている。大変な労力を費やし完成した武蔵(物)が多くの(人命)とともに沈んだ。最近発見された海に沈む武蔵らしき戦艦の映像。そこに至るまでをこの本を読んで想像する。
宇宙戦艦ヤマト、生き残った人はどう見たのだろう。「艦これ」とか・・なんか腹立つ。
読了日:5月12日 著者:吉村昭
ドクター奥井と走るランニングのススメの感想
ドクター奥井と走るのは「タイム狙い」のランナーではありません(^^)掌蹠膿疱症性骨関節炎で1年ランニングを休んでいたワタシにはぴったり。健康のために走り始める方向き。
樋口一葉や与謝野晶子などをタイプ別に使ったり「性ホルモン」に着目したりと、他にない切り口がイイのに、後半に少しレースに触れたのは中途半端な印象。レースノウハウはそういう本に任せれば良いと思った。
個人的には更年期対策をもっと充実させて欲しかったな〜ww
読了日:5月16日 著者:奥井識仁
知ろうとすること。 (新潮文庫)の感想
糸井重里氏と物理学者・早野龍五氏がフクイチの事故から3年経って、改めて福島の状況を語り合った本。
遠くに居るのであまり気にせず、福島県産の食べ物も「流通しているのだから安全だろう」くらいの考えで食べていたけど、「知ろう」としていなかったと思う。この本を通じて放射線や被ばくに関することを少し理解できた。事実を自ら知ろうとする姿勢・・大事だな。
ネットが発達した今、流れてくる情報を鵜呑みにしがちな自分を反省。汚れていなければ1番上の本を買う・・そういう判断を自分でできるようになりたい。
読了日:5月25日 著者:早野龍五,糸井重里
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コメント
コメント一覧 (6)
吉村先生のCDは、3枚目まで読みました。
戦艦ものゲームがあるのですね。
初めて知った・・・イヤだ〜!!
「知ろうとする事」私もとても読みたくなりました。
春になって忙しくなり、慌ただしく本を読むのが嫌で、あまり借りてきていませんが図書館に頼もうと思います。
3枚目までいきましたか〜ワタシはまだ1枚(森鴎外の話など)。
戦艦武蔵を読んでいるときに武蔵の写真が見たくてネットで検索すると、なぜか女の子のイラストが・・
武蔵等のこと、けっこう詳しく書いていて腹が立ちました。それをわかっているのにこんなゲームにしちゃうのかと。
知ろうとすること。は薄い文庫本でたぶん半日もあれば読めてしまうと思います。でも、率直でわかりやすかったです。
どういう調査が行われているかも、いろいろと紹介されていました。
なるほど〜と、色々考えながら、私も落ち着いた気持ちになりました。
あっという間に読んじゃって、まだ返却期限までたっぷりあるので・・・
今は、少し落ち着いた気持ちになっている娘に、これからのためにも、読ませてやりたいと思います。
(また貸しです)(;´Д`A ```
ありがとうございました。
たしかにあっという間に読めてしまう量でしたね〜。
事実だけをたんたんと伝えてきた早野先生のTwitterそのままに
でも、内容は濃かったと思います。
高校生の話には元気をもらえますし、本来必要のない機械もあえて作ったという話他、
いろいろと感心しました。
遠くから見守るしかない私でも考えるきっかけになりました。
当事者の娘さんが読まれたらどんな風に感じられるのか、知りたいです。
また貸ししようと持って行ったら・・・
私より先に、娘はすでに図書館から借りて読んでいました。(笑)
こういう視点でものを言う人もいいね〜って、言っていました。
すでに読んでいらっしゃいましたか!
ある意味当然かもしれません。現地のお母さんだもの〜
アンテナはっておられますよね