大阪・寝屋川市で33歳の長女の遺体を自宅に隠したとして両親が逮捕された事件は詳細がわからないので、「精神疾患がある娘が暴れたりしないよう10数年にわたって閉じ込めていた」という両親の話が本当のこと・・という前提で書く。

来年2018年は呉秀三の精神病者私宅監置ノ実況及ビ其統計的視察が刊行されて100年の年。1910年から1916年までに精神病者私宅監置の状況を実地視察させた記録である。ここで呉は
我邦十何万ノ精神病者ハ実ニ此病ヲ受ケタルノ不幸ノ外ニ,此邦ニ生レタルノ不幸ヲ重ヌルモノト云フベシ。精神病者ノ救済・保護ハ実ニ人道問題ニシテ,我邦目下ノ急務ト謂ハザルベカラズ
と述べている。

また、その急務−精神病者救済・保護のため緊急に必要な事項−のひとつに呉は
一般人に精神病に関する知識の普及をはかること
を挙げているのだ。

100年前に。

監禁の経緯はわからないが、監禁の始まりが報道にある16〜17年前とすれば、すでに精神保健福祉法が成立し、我が次兄が発症した38年前に比べればさらに制度も整備されていたはずなのだ。

この両親に必要な情報は届いていたのだろうか。
統合失調症はおよそ100人に1人発症する。うつ病などの気分障害は増え続けている。国の政策として医療計画に記載すべき疾病に平成25年度から「精神疾患」が加えられていることを、どのくらいの人が知っているだろう。
参考:がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患で5疾病。

自分事として知識を持つこと。自分のこととして、またお子さんがおられるのなら「うちの子に限って」は抜きにして、さらに知識を持つこと・・・必要だと思う。
現代語版出ています

(文中敬称略)