北京五輪が近づく中、次々と代表選手が決定されています。図書館でこの本にふと目が止まりました。


東京五輪の時は生まれていませんでした。子供の頃何度かテレビで見た東京五輪男子マラソンは記憶に残っています。
競技場で円谷選手が抜かれたシーン。遺書の内容もおぼろげながら覚えていました。

今では円谷選手が回想されることもなくなっている気がします。

今ももちろん代表選手達はつらく厳しい練習やプレッシャーに耐えているとは思いますが、自分のために戦う、五輪を楽しむことのできる選手がかなり増えたように思います。

円谷選手は東京五輪の見事な銅メダルの後、孤独と故障に苦しんだといいます。4年後のメキシコ五輪の年、その成功を祈る遺書を残して自ら命を絶ってしまわれました。

このような悲劇があったことを、知っておいてもいいのではないかな…と思いました。


「オリンピックに奪われた命‐円谷幸吉、三十年目の新証言‐」
橋本克彦 小学館文庫